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四つのパートの各々を証明し、結果として問題解決と再発防止というアドバンテージが得られる論理構成となる。
簡単な例で言うと、今、咳が出ていること、あるいは、気管支炎になっていることを指摘する。
次に、その原因はたばこであることを証明する。
その上で、たばこをやめれば問題は一切なくなることを証明し、「たばこはやめましょう」と説得する。
こうした論理展開が、「ZSPES」のスタイルである。
これに対し、同じくよく使う方法としてあげられるのが、図舗に示したである。
この方法は、特定の目標を実現する手段として、新しい施策を採用することを説得する方法である。
CSF分析で取り上げた「物流のサービスレベル」で言うと、このレベルをお客さまに保証することが競争に打ち勝っために重要だと考えられる点でゴールを設定し、それを達成することがいかに価値があるかを証明する。
そして、ゴールを達成すれば競争にも勝てるし、成長を実現できると利点を示す。
その上で、そのゴールは現状を続けるかぎり、達成できないことを証明する。
これが、改革の必要性の喚起になる。
最後に、新しいプランを採択するとゴールが達成されるので、このプランを採用すべきだというふうに論旨が展開する説得の仕方である。
身近な例だと、英会話の教材を売っている人たちが使う論理展開が近しい。
「英語をしゃべれるとすばらしいと思いませんか」という問いかけでゴールに関して共通の理解をもっ。
次に「そのために何かやっていますか」と、何も努力していないことを確かめ、その延長では、英語をしゃべれるようにはならないことを指摘する。
そして、「英語を話せるようになることが、一日わずかコーヒー一杯分のお金でできるのですよ」といった具合にプランを提示し、相手を説得する。
先ほどあげたたばこの例で言うと、「健康って大切だと思いませんか」と共通のゴールに了解を得たあと、「たばこをやめれば、ヘルシーな生活が待っているんですよ」と、話が展開していくのである。
その利点を実現した姿と現状とを比較して、「利点がいっぱいあるから、このプランを採択しましょう」と説得する。
このプランを採択すれば納期も早くなるし、サービスレベルも上がる。
コストダウンもできるし、ベスト・プラクテイスを実現できると説く方法である。
説得のためには、プランがもたらす利点が非常に重要であるが、それを現状では実現できないと証明することが必要である。
現状の改善では、数々の利点を獲得できないことがプラン採択の動機づけになるのである。
最後のは、問題点の存在やその原因、あるいは因果関係には言及せずに、現状は別として、とにかくこの施策を採用することが重要であり、必要であると説得する方法である。
一見、そんな単純な方法で説得できるのかと思われるかもしれないが、極端な例で言えば、「コンピュータを入れるとeビジネスが実現します」、「このソフトを導入すればグローバル・スタンダードを実現できます」というのが、近しい説得の方法である。
要するに、現状にどのような問題点があろうが、その原因が何であろうが構わない。
「このプランを採択すれば問題はすべて解消する。
他社も採用しているから、ぜひ採用しましょう」という論法になるわけだ。
コンサルティングの領域で言うと、ITソリューションとしてすでに確立したものがあって、これを導入すれば確実に成果が出るという売り方をするときに行われがちな説得の仕方である。
実際には、この二つの組み合わせを利用することが多い。
なぜなら、どちらかというと現状の問題点の改革という枠のなかにあるため、それだけでは説得力が不十分な場合があるからだ。
一方は将来が中心とは言っても、今日明日で困っている現状の業務の改善も無視できない。
そのため、二つの手法の組み合わせが必要となる。
多くの場合は、「未来を見通して、今からこれを実行しよう」という提言になるため、基本的な構成としては競争力を得て業界でナンバーワンになり、それを維持するためには何が必要か、それはなぜかを証明する。
そして、実現のためにどのような施策を打てばよいのか、その施策で重要成功要因、つまり目標とするレベルで確実に達成できるのかを明らかにする。
こういった体系で全体の論調を構成するわけだ。
また、ここでは、短期的施策によって、現状で起こっている深刻な問題を解決することも可能であり、その施策が、将来の改革へ向けての第一歩ともなることを付け加えたい。
以上が、コンサルタントとして覚えていてほしい説得型スピーチの構成に関するテクニックである。
テクニックに関するもうひとつのトピックとして、ここでは図表の使い方や、分析をどう行い、結果をどう見せるのかという点を取り上げたい。
全体プロセスのところで言及したように、図表は基本的にはコミュニケーション・ツールの役割を担う。
図表は、特に「戦略」などの抽象度の高いハイレベルな言葉や、ひとつのことをさす言葉でありながら、詳細に見ていくと異なる特性をもったものによって構成される「顧客」のような集合名詞などを使って議論をするときに、きわめて有効なコミュニケーション・ツールとなる。
たとえば「顧客」と言ったときに、企業の人たちが思い浮かべる相手は、所属する組織や立場によって違うものである。
営業マンをとってみても、個別の最終消費者のような、実際にモノを買ってくれる顧客を頭に描く人もいれば、代理屈や小売店を最初に思い浮かべる人もいる。
すなわち、言葉のもつ概念が統一されないままで、販売戦略や顧客サービスをどうするかといったことをいくら議論しても、話は煮詰まってこないものである。
そこで、販売戦略を議論する上で「顧客」をどう定義するか、どこに自分たちの事業チャンスがあるかという共通認識をどう確立するかが課題になる。
こういったことを同じ土俵に立って議論する上で、図表が役に立つ。
第一章で、自分たちの事業を分析し議論するためのツールという位置づけでプロダクト・ポートフォリオ図を説明したが、「顧客」をどう捉え、どのような施策をとるべきかを議論する場合も、同様のテクニックを利用することができる。
図おはネットワーク・ニーズの分析に使った図である(本図は約1O年前の調査に基づき作成されたものである)。
ネットワークを売っている会社にとって、事業チャンスがあるのはどういった顧客かという点を分析し、共通認識を得るために使った図である。
縦軸は事業の国際化のレベルをさしている。
一方、横軸は、グローバル・コミュニケーションの内容を示す。
これらの二つの軸で顧客を分類し、販売戦略を決定しようというのである。
事業の広がりで言うと、顧客を、事業もネットワーク・ニーズも圏内が中心である、海外市場に一部アクセスがある、海外市場で現地化して業務を行っている、また、グローバルなロジステイクスやネットワークで海外市場聞を結ぶ必要がある、といった事業レベルで分類することができる。
たとえば大規模量販店は、図の左下に位置される。
海外拠点がところどころにあるレベルだと、損害保険会社などが該当する。
一方、現地化が進んだレベルでは、自動車会社や旅行会社が顔を出す。
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